婦人科

当院では、妊娠・出産のケアに加え、女性のさまざまなお悩みに寄り添う婦人科診療を行っています。不妊の検査や診察、月経不順のご相談をはじめ、子宮頸がん・卵巣がんの検査にも取り組み、女性の生涯にわたる健康を支えています。更年期障害や不妊治療には、身体にやさしいホルモン療法や漢方薬を用い、一人ひとりに合わせたケアを心がけています。体外受精は行っていませんが、人工授精やタイミング療法、ホルモン検査に対応しています。
年1回の定期健診は早期発見につながります。
どんなことでもお気軽にご相談ください。

婦人科

月経痛・月経不順
月経困難症

月経痛や月経不順は、心身に大きな負担をかけることがあります。
精神的ストレスや疲労によりホルモンバランスが乱れるのが主な原因で、状態が整えば自然に改善することもありますが、つらい症状が続く場合はご相談ください。日常生活に支障をきたす月経痛は月経困難症の可能性があり、子宮筋腫や子宮内膜症が関係していることもあります。
漢方薬やホルモン療法、ミレーナを用いた治療が可能です。
気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。

月経痛・月経不順・月経困難症
● 低用量ホルモン療法

低用量ピルなどを使用した治療方法です。この治療は、ホルモンのバランスを調整して月経の量を減らし、痛みを軽減する効果があります。
ホルモン療法は月経周期を安定させ、子宮内膜の厚みをコントロールすることで、症状を和らげることが特徴です。

● ミレーナ(IUS)

ミレーナは、子宮内に挿入するホルモン放出型の避妊具で、黄体ホルモンをゆっくりと放出し、子宮内膜を薄くして月経の量を減少させます。月経困難症の症状を改善し、経血量の減少や痛みの軽減に役立ちます。
また、避妊効果も期待できるため、長期的な治療方法として人気があります。

月経移動

月経移動は、旅行や行事に月経が重ならないよう、薬を使って月経のタイミングを前後に調整する方法です。生活のリズムや予定に合わせて、月経が重ならないように調整します。
月経を早める方法と遅らせる方法があり、ご希望に合わせて一人ひとりに合った方法をご提案します。早める方法では、低用量ピルを使用して月経を前倒しし、遅らせる方法では、ホルモン剤を使って月経を遅らせることができます。
薬の服用方法や副作用などについても丁寧に説明します。

月経移動

ピルの処方

● 低用量ピル

排卵を抑える:卵巣からの排卵を抑制し、月経周期を安定させます。
女性ホルモンの分泌を抑制:卵巣からの女性ホルモンの分泌を抑えることで、ホルモンバランスを整えます。
子宮内膜の増殖を抑制:子宮内膜が過剰に厚くならないようにし、月経時の出血量を減少させます。
経血量の減少:ホルモンバランスの改善により、月経時の経血量が減り、月経困難症などの症状が軽減します。

● 避妊薬ピル

排卵を抑制:卵巣からの排卵を抑えることで、妊娠を防ぎます。
※毎日決まった時間に服用することで、効果が維持されます。

● 緊急避妊薬

排卵を遅らせる:性行為後、排卵を遅らせることで妊娠を防ぎます。
子宮内膜の変化:子宮内膜を変化させ、受精卵が着床しにくい状態にします。
※性行為後、できるだけ早く、遅くとも72時間以内に服用することで効果を発揮します。

ピルの処方・種類

ピルの種類

ファボワール

主に避妊や月経困難症の改善に使用される低用量ピルです。ホルモン量が安定しており、月経周期を整える効果もあります。また、月経前症候群(PMS)やニキビの改善にも効果があります。

ラベルフィーユ

低用量ピルの中でもエストロゲンの量が少ないため、副作用が少ない傾向があります。避妊のほか、月経困難症や月経不順などの軽減にも使用されます。ホルモン量が少ないため、軽度の月経困難症に適しています。

マーベロン

避妊や月経困難症の治療に広く使われる低用量ピルです。月経痛の軽減や経血量の減少、ニキビの改善にも効果が期待できます。ホルモンバランスを調整し、月経前症候群(PMS)の症状も緩和します。

検査・検診

婦人科検診について

子宮頸がんや卵巣がんの検診は、皆さまの健康を守るための重要な検査です。
検診を通じて、自分の身体を大切にし、より健やかな毎日を過ごしていきましょう。

・子宮頸がん検診

子宮頸がんは、子宮の入り口にできるがんで、主にヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因で発生します。
子宮頸がんの検診では、子宮頸部から細胞を採取し、異常がないかを調べます。
子宮頸がんは、初期の段階では自覚症状がほとんどありません。しかし、がんが進行すると、不正出血や下腹部の痛みなどの症状が現れることがあります。早期発見が難しいことから、定期的な検診が特に重要です。検診を受けることで、がんの前段階である前がん病変を発見でき、早期の治療が可能となります。
子宮頸がん検診は、痛みも少なく、短時間で終わる検査です。もし検査に不安がある場合やわからないことがあれば、当院スタッフに遠慮なく質問してください。

・卵巣がん検診

卵巣はホルモンを分泌し、月経が止まるまで定期的に卵子を排出する役割を持っていますが、この卵巣にがんが発生することがあります。卵巣がんは腫瘍とも呼ばれますが、腫瘍が良性の場合は卵巣がんとは言いません。卵巣がんの発生率は1万人に対して約1.4人と比較的少ないですが、初期段階ではほとんど自覚症状がないため、気づきにくいのが特徴です。卵巣がんは、下腹部のしこりやお腹の張り、頻尿、食欲不振などの症状で見つかることがあり、その場合にはすでに進行していることがあります。
こうしたことから、定期的な検診を受けることが早期発見と早期治療につながり、治療の効果を高める鍵となります。

検査について

当院では、婦人科に関するさまざまな検査に対応しています。

  • ホルモン検査
  • 超音波による子宮・卵巣のチェック
  • 性感染症の検査(クラミジア、淋病、梅毒など)

検査をご希望の場合はお気軽にご相談ください。

検査・検診

不妊治療

当院では、不妊症でお悩みの方への治療を行っています。デリケートな内容を含むため、気持ちに寄り添いながら進めており、プライバシーにも配慮しています。排卵障害の治療やホルモン・卵管の検査、精子検査を通じて妊娠を目指します。体外受精は行っていませんが、アイソレート処置を用いた人工授精を行っています。これは、精液から不純物を除き、受精しやすい状態をつくる方法で、痛みや入院の必要はありません。タイミング療法やホルモン検査に加え、漢方を取り入れ、心身のバランスを整えながら妊娠を支援しています。
不妊に関する悩みは、一人で抱え込まず、気軽にご相談ください。

不妊治療

更年期のお悩み

更年期は、多くの方が経験する身体の変化の時期であり、その症状は人それぞれです。ホルモンバランスの変化によって、心身にさまざまな影響が現れることがありますが、つらい症状があっても、一人で抱え込まずにご相談いただければと思います。
ご自身に合った治療方法を一緒に見つけていきましょう。

更年期のお悩み

このような症状はありませんか?

  • 身体のほてりや急な発汗(ホットフラッシュ)
  • 夜間の発汗や寝つきが悪いなど、睡眠の問題
  • 疲れやすさや気分の落ち込み、イライラを感じる
  • 動悸や息切れなどの心臓の症状
  • 肩こりや関節の痛み
  • 頭痛やめまいを感じる
  • 肌の乾燥や髪のパサつきが気になる

こうした症状が更年期によるものであれば、ホルモン療法を用いたり、漢方薬を処方したりと、患者さまの症状に合わせた対応を行います。また、食生活のバランスを整えたり、運動習慣を見直したり、冷えを防止することで症状が緩和する場合もあります。
ライフスタイルの見直しが効果を発揮することも多いので、一緒にできることを考えていきましょう。更年期の症状は個人差があり、適した方法も人それぞれ異なります。
私たちは、患者さまの身体と心に寄り添い、より良い治療方法を見つけるお手伝いをします。お悩みや気がかりなことがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。